絶望の中の賭け
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Fantasy,
Science Fiction
横殴りの雨が叩きつけられる音が響き渡る中、三つの影がビニールシートをかぶりながら暗闇を手探りで前に進んでいた。山道とはいえ国道なので道路照明はあるはずなのだが、既に電力の供給が途絶えたのか、棒のように立ちすくんでいるだけだった。
既に車の往来もあるはずもないが、少しでも雨をしのごうと山形の路肩にそって進んでいた。水が靴の中敷まで浸透し、歩く度に水の重い音を立てた。
長いのぼりのピークに差し掛かったとき、彼らは雨音の変化を感じた。金属を叩くような音。そして、目の前に大きな塊があることに気がついた。
「M-1A2SEP…米軍もここまでは来たか」大きな影が呟いた。
「おじさん、この戦車に乗れないの?」
それは男も考えていた事だ。戦車は四台。一個小隊の最小編成で間隔をおいて放置されていた。動くものもあるかもしれない。彼はこれでも自衛官で戦車の運転もできなくはない。そして、二人の子供達の疲労は既に限界を超えている事を知っていた。女の子の方はもう座り込んでいる。
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